負け惜しみ、自分を信じること、一貫性

売上成長率は前年比で120%~130%を堅持できればいい。これだけ熾烈な大量記事アップの時代の中で、1年経っても前年比でシェアが増えているだけでも十分に素晴らしいことだ。身の丈にあわない急成長を目指してはいけない。

長期間に渡って安定的な持続成長を実現することと、短期間で爆発的に急成長することは、戦略方針として必ずしも一致しない。

「いま単純に人手を増やしたり、外注を増やして作業スピードをアップすれば、短期的に利益を積み増せる」「あのジャンルがいまアツい。業界平均レベルの記事を大量投下するだけでも儲かる」と思ったとしても、それが1年後2年後の自分の戦略と一致しないのであれば、今は我慢しないといけない。ライバルの行動を見て「自分も」と焦ってはいけない。他人の売上が2倍3倍に伸びていても、気にしてはいけない。

大事なのは長期的な持続可能性だ。

追い風のときにどんどん投資をして、年200%も300%も売上成長率を実現して、急スピードで組織を拡大して、逆風になったとたんに固定費が回らなくなる企業なんてたくさんある。全く同じ業界構造、環境に置かれていても、成長を焦らずにコツコツと毎年20%程度の成長率を堅持することで、10年スパンで見ればROEで上回る企業もある。

もちろん、これは半分負け惜しみだ。リスクを取って拡大を目指して、うまく時流に乗って成功する人もたくさんいる。

正直にいえばもっともっと売上を伸ばしたい。こんなところで終わりたくないという気持ちは常にある。でも今は、有効な投資手段が思いつかない。安易に外注やライターに記事を頼むというのは、今は一番やりたくない戦略の1つなので、何か、その他のところでお金の使い道を探している。

専門的で網羅的で、目次と見出しがテンコ盛りの記事を、機械的に大量アップすることで、覇権を握れる時代もいよいよ節目になってきた。株の世界の靴磨きの話じゃないけれど、初心者ですらみんな口を揃えて同じことを言うようになったら、もうそのノウハウはとっくに終わってる。

今、何に最も注力しているか? 自分にとっての「本質」は何か? それは、他のプレイヤーが提唱していない独自性ある「本質」なのか? 「再現性がない」は個人事業では褒め言葉であり、企業組織に対抗する最強のノウハウでもある。

自分1人での作業で「独自性」を担保する方法は、大体、この1年で掴んだ。しかし組織化しながら、同時に高いレベルで競争優位をキープする方法が思いつかない。それが見えるまでは、組織化はできない。