最近考えていることで、個人的にふと大事かもしれないと思ったので忘れないように記事にしておきます。自分用のメモなので、全然、論理構成は整っていません。
ここ半年は割と「できる限り全部、自分でやる」というのを強く意識していました。スピードを意識的に殺してでも、自分でやれることは自分でやるようにしています。
少なくとも個人事業のレベルであれば、自分で専門知識を蓄積したり、スキルを徹底的に磨くことで最初は時間がかかりますが、中長期的には生産コストがどんどん下がるので、ある意味、最も簡単に競合サイトと利益率で差をつける方法のような気がしていたからです。
低い生産コストで良いページを作る
一昔前のブラック全盛期の時代は、どのキーワードで上位表示するかで利益率に雲泥の差がありましたから、サイト制作コストなんていうのは全体の中では誤差に過ぎなかった。別にサイトの生産コストが競合と比べて高いか低いかは、それほど問題にならなかったわけです。
ただ今は、特にホワイトやロングテールで食べていこうと思っている方はコンテンツで稼ぐしかないわけで、被リンクに頼らない場合は、ページの原価は利益率にある程度は直結するはず。
競合に比べて高い利益率(売上ではなく利益率)を出すためには、相対的に販売価格を上げるか、生産コストを下げるかの2択しかないですが、アフィリエイトの場合はほぼ全員がASPを介して広告主と提携するわけですから、基本的には同じような価格で広告枠を販売することになります。
同じターゲットのユーザーを相手に、似たようなサイトを作って、似たような方法で集客して、同じ価格で広告を売るわけですから、プレイヤーの多いジャンルでは、生産コストを長期的に下げる工夫がないと利益率としては、今後、厳しくなる可能性がある。
もはや良いサイトを作るのは大前提で、質の高いページを作り込むのは大前提。安い原価でゴミページを大量生産するとかそういうレベルの話をしているのではなく、ライバルよりも質の高いページを継続的に作り込むためには、ライバルよりも低いコストでページを作れる仕組みがないと今後は採算が取れなくなるし、過当競争に陥っているジャンルでは厳しいかも、という話。
一か八かの博打ではなく、ちゃんと採算が取れるような低いコストでライバルよりも良いサイトが作れる仕組み、それを目指したい。
一番簡単にコストを下げる方法
そのためには、自社内で専門知識の蓄積や、ライティングのノウハウ蓄積、人員のスキルアップにより長期的にページの生産コストを下げる仕組みが重要であり、外注や外部業者への委託ではなく、自社で内勤を雇って育てている人ほど有利になる。
個人であれば、自分で専門知識を蓄積して、自分でスキルアップして出来ることを増やしまくることが、一番、長期的には生産コストを下げることに繋がる、と思っていました。
特に専門性の高い記事を継続的に書く上で、一番のコストは勉強時間です。これは明らかに知識の蓄積によってコストが下がる。数年単位で同じジャンルで記事を書いていれば、はじめた頃は10時間調べても到底書けないようなレベルの記事を、数時間で書けるようになる。それが自分のイメージする「ライバルよりも生産コストを下げる方法」です。
ここを外部に発注している会社は、初動はめちゃくちゃ速いので焦りますが、長期的には単価が下がらないので、持久戦になれば有利。
中規模以上のサイト制作で一番コストがかかるのは、専門知識のインプットにかかる時間です。大きなサイトであればあるほど、相対的にデザイン等のコストなんて大した問題ではない。記事コストこそがもろに利益率に影響する。
記事の作成コストを下げる方法は、結局のところ「専門家にライバルよりも割安な価格で記事を書いて貰う」ことであり、それを一番簡単に実現する方法が、個人なら「自分が専門家になる」こと。例えば、(現在の自分の時給にもよりますが)市場でページ単価数万円はする記事を数時間で書けるようになれば負けない。
これは全く関連性のない多ジャンル展開をしない、という戦略でもある。全く新しいことをまた1から勉強していたら、いつまでも生産コストが下がらないから。インプット時間とアウトプット時間は長期的に、だんだん逆転していくのが理想。その均衡点が遠いジャンルほど、参入障壁の高いジャンルになる。
外注コストは今後も上がる可能性
全部、自分でやろうとしたらとにかく時間がかかる。デザインは外部デザイナーに委託した方が早いし、イラストはイラストレーターにお願いした方がいいし、専門記事は高いお金を払って専門家に書いて貰った方が早い。生産スピードを重視するなら、自分でやるべきではない。
ただ、生産コストを下げるという意味でいうと、外注はかなり相性が悪いです。一時的にはもちろん、雇用するよりも外注に出した方がコストは安く済みますが、中長期的には「コストが下がっていく仕組み」が永久に働かないから。
サイト全体のデザインなど、ワンスポットでしか発生しないコストなら外部委託でいいと思いますが、記事ページなど日常のコストに乗ってくる部分はきつい。
特にライティングに関していえば、今の外注は完全に売り手市場なので基本的に流動性が高く、簡単に雇い主を変えることができる。囲い込むのが難しい。もちろん集め方の工夫次第だとは思いますが、同じような依頼をだしている雇い主が大量にいる以上、報酬以外のインセンティブが働きにくいので、クラウドサービスとかは今後、まだまだコストが上がるはず。
実際、一昔前だと考えられないくらい、WEBライターさんで儲かっている人は増えているし、下手すると自分みたいな弱小アフィリエイターより儲かってるだろうな、って人も少なくない。
以前は競争優位の源泉が、「上位表示のノウハウ」にあったから、サイト制作の工程に優位性なんて必要なかった。堂々と高いコストをかけて、手っとり早く外注すれば良かった。そんなところに時間をかけても意味がなかったから。とにかくスピードの方が大事だった。
ただ、今は有力なアフィリエイターさんでさえ、新サイトは「回収に1~2年を見る」と公言する方が増えてきている状態ですから、ページ単価でのコスト勝負にまともに乗っかってたら、しんどい。「ライバルより良いサイトを作る」というのが(過剰供給により)不可能になる時代が来る、という前提で考えれば、ライバルより低いコストでサイトを作れないと今後は厳しい。
競合として本当に怖いのはどの層なのか
アフィリエイトに関していえば、大手や大資本というのは、実はあんまり怖くないと思っています。なぜなら、そもそも絶対数が少ないから。大手が全てのジャンルで大規模サイトを作って総舐めするなんてことは不可能です。
検索クエリも膨大で、かつ参加者の数が多すぎるので、検索エンジン上で大手が占めれるシェアなんて、所詮はたかが知れているわけです。(ブラック、特定キーワード依存の場合は別。ロングテールの話)
一番怖いのは月数百万レベルのアフィリエイター。この層が恐ろしい母数いますので、結局のところ、この層と「良いサイト作り」でバッティングするのが一番消耗する。もっといえば、今は月数十万円レベルでも一昔前のトップアフィリエイター並みにサイトを作り込んでいる人が多いので、この層とのシェア争いが一番しんどい。
まして副業組なんて利益0円でも淡々と継続して労力を投下してくるわけですから、採算が取れないと生きていけない専業組にはマジで脅威ですw 副業組は、赤字でも撤退することのない特攻隊みたいな存在です。(これは自分が副業時代のとき、一番有利だと思っていた点)
この中で生き残るためには、去年前半はライバルより高いコストをかけてライバルより質の高いページを作ればいいと思っていましたが、去年後半からは、それだとしんどいと思うようになりました。とにかくページ原価を下げないと、持久戦になったら死ぬ、と。そのための個人スキル開発であり、1ジャンル特化での専門知識の蓄積でした。
・・・・と、長くなりましたが、ここまでは去年考えていたこと。
売上を伸ばすためには、単純作業も必要
やっとここからタイトルの論旨。
去年は逆に個人依存、属人化の方に振り過ぎた。おかげで、多分、誰にも真似できないレベルの作業工程(ライバルには真似できない原価で質の高いページを作る仕組み)は作れたけど、逆にスピードをあまりに殺しすぎた。結果、ズルズルと売上が伸び悩むことになった。
今の私の作業工程には、「誰でもできる作業」「マニュアル化できる作業」「考えなくていい作業」はほとんどありません。模倣性を低くするために意識的にそういう工程を排除していたからです。すべての工程が、なるべく自分じゃないと出来ないように小細工した。それでしか生き残れないと思ったから。
でも、当たり前の事実として、「誰でもできる作業」「マニュアル化できる作業」がある程度の割合で混ざってた方が、レバレッジが効いて稼ぎやすいんですよね。単純作業を意図的に増やしてそれを安く外注化した方が、真似されやすくはなるものの、結果的に個人で稼げる額は大きくなる。
大事なのはバランスなんですよね。。いくら利益率が高くても、売上が少なすぎたら意味ない。「誰でもできる作業」が一定量は含まれていないと、売上が伸びていかない。