得意領域を広げ過ぎてはいけない

考えてみると、自分が誰かに対して「この人は凄いな」と感じるときというのは、圧倒的に何か自分にない強みを持っている場合が多いです。あらゆるスキルにおいて、万遍的に自分より凄い人というのは極稀で、基本的には何か1点突破で突き抜けている人を「凄い」と感じます。

凄いというのは、つまり狂気だと思います。「ここまでやるなんて頭おかしいな」という強みを1点だけまず持つ。被リンクでも、サイト制作でも、デザインでも、プログラミングでも、ジャンル選びでも、記事の作成スタイルでも、PPC広告でも、絵描きでも、何でもいいので、まず1点だけ圧倒的な強みが作れれば、後はそこを軸に競争戦略を練ればいいだけです。

正直、最初からバランス型を目指した方が結果を出すには早いと思いますが、どこか一点狂気めいた強味を作った方が、その後の成長戦略はブレずに済むような気がします。

少ない資源で圧倒的な強みをまず1つ作るためには、どんなに効率が悪くても、どんなに遠回りでも、一度決めた戦略に資源を集中し続けることが大事です。得意領域を広げずに、競争で有利なポイントだけを徹底的に鋭利に尖らせ続けることが大事です。

大体のイメージとしては、他の多くの方が平均的にやっている作業の7割くらいを大胆に捨てて、代わりに他の人が1の量くらいしかやっていない作業をその10倍極める。それで利益が出たら、それを他のリスク分散なんかに回さずに、さらに競争優位を尖らせるために投資する。

何もない人がゼロから競争力を築くには、最初はそうするしかないと私は信じています。

もちろん、このやり方はリスクが高いので、どこかで最終的にはバランス型にシフトしないといけません。その移行ポイントをどこに持っていくか、が将来の拡張性を決定します。早い段階でバランス型にシフトしすぎると、伸び白を刈り取ってしまう気がします。なぜなら、お金も人手もない状態で、広い面積のバランスチャートが作れるはずないからです。

「労力と収益が全く比例していないな」と感じるときがあれば、それはチャンスです。「他の人はもっと効率よくやってるんじゃないか」「他の人は100の作業量で100万稼いでいるのに、自分は100の作業をしていて10万円しか稼げてない」と思ったら、それはチャンスです。

なぜなら、そのやり方で1000の作業を積み上げて、それだけに最適化したオペレーションを組んで効率化して、ノウハウを蓄積して、結果として100万円稼げるようになれば、それはもう他の人は真似できないからです。

効率が悪ければ悪いほど、再現性が低く利益率が薄くなるので、真似されにくくなります。もちろん積み上がらないものだと意味がありませんが、それが蓄財性のあるものであれば、その努力は無駄ではありません。